2025年問題の解決には、国が提唱する地域包括ケアシステムの実現が欠かせません。高齢になると若い頃と比べて病気のリスクが圧倒的に高くなり、また治癒するにも多くの時間を要します。病気になりやすく、治りにくい年代だからこそ健康維持が大切になるのです。地域包括ケアシステムでは自立生活を支援し、医療と介護に加えて日常生活のサポートを総合的に受けられるように体制を整えていきます。
看護師ができることとしては、業務の効率化です。多忙を極める状況は心身から余裕を奪ってしまい、精神疾患のリスクを高めます。うつ病が原因となり、長期休職を余儀なくされる看護師は少なくありません。2025年問題では患者がさらに増えていくことも大きな課題の一つであり、多忙な職場がさらに忙しくなると予想できます。高品質の看護を提供するためには、看護師自身が心にゆとりを持つことが大切です。忙しくてイライラしている状態だとミスが増え、患者にも不快感を与えてしまうでしょう。
2025年問題に備えるには、早期の段階で業務の分担が必須となります。一人ひとりの役割分担を明確にし、ムダをなくしていくのです。さらに電子カルテの導入も必須であり、それにより患者データの管理が容易になり、事務作業の負担が軽減されます。電子カルテの導入には多額の資金を必要としますが、長期的に見たときの費用対効果は優れているでしょう。機械に依存できる部分は、思い切って依存する姿勢が大切です。このように2025年問題を見据えた看護師の業務改善では、従来の方法から脱却する必要があります。